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色彩のある　こだわり　山上　良　第六弾

１７歳頃、桜山に住んでいた植松さんという方が自転車でたまに来店され、父親が植松さんの自転車を直している場面をよく見かけました、どこのおっさんかなと思っていました、ある日いつものように愛車CB750をいじっていると後ろから「お兄ちゃん、バイクや車のレースに興味あるか」と聞かれ、そのころバイク雑誌は沢山出版されていました、ただ今みたいにネットやパソコンや携帯電話で情報を簡単に得られません、たまぁに雑誌を買ったり立ち読みしたりしてレースは知っているぐらいでした、でも何となく「興味はあります、あまり知らないけど」と応えるとポケットからおもむろに、レース観戦チケットを手渡され「友達みんなで行きな、行くなら気を付けてよ」それはなんと富士スピードウェイ観戦チケットだった、どのくらいの枚数を頂いたか覚えていないですが金額にしたら何万円分もあったと思います、すぐに友達や仲間に話して行くことを決めました、後から聞いたら植松さんはスポーツ新聞社の役員で大変顔がひろく偉い人だと、恐れ入りました感謝申し上げます。当時、箱根までは行ったことはありましたが富士スピードは未知の領域でした、あの頃の富士スピードウェイゲートオープンは記憶が曖昧ですが朝６時だったと思います、友達みんなで相談してとにかく早く出発しょうとなり夜中に出ました、みんなの意見で箱根越え乙女峠、須走、富士霊園、富士スピードウェイでした、季節は４月でした、無謀にもみんな防寒対策なんかしてはいません、若さと勢いだったと思います、ヘルメット着用義務は無しでしたので今でいうノーヘルです、でも違反ではありません、なので箱根越え乙女峠あたりには、体も凍え髪の毛には霜がたくさん寒さと震えで行くのはやめようとも思いました、何度か休憩はしましたがこの当時コンビニなど存在しません、手に息をかけ自販機の明かりと缶ジュースのみが救いでした、なんとか無事にたどり着いた時はみんな諦めないで、ここまでこれたことと無茶はしたけど誰もがバイクに乗ってはじめて達成感を味わった瞬間を共有できた気がしました、どんなレース観戦をしたか全く記憶はありませんが、凍えたからだでみんなと一緒にいられた絆は、まさに青春時代の大切な思い出となりました。　今回は色彩にこだわらないでした。